長く続いた緊急事態宣言が解除になり、飲食店がにぎわい始めています。
今年の年末年始は、家族や友人と集まって楽しいひと時を過ごせるようになるのか気になるところですね。
正月の恒例は、やはりおせちでしょう。スーパーやデパートの食品売り場で、黒豆やかまぼこ、昆布巻き、きんとんなどが並ぶと、年の瀬を実感する方もいらっしゃると思います。
最近では、自宅でおせちを作ったり、また買ってきて重箱に詰めるという家庭はだんだん減っているようです。
その代わり、通販でおせちを購入する人が増えています。
特に2020年の年末はコロナのために帰省や宴会、旅行などを自粛する人がほとんどでした。
そのため、せめておせちは豪華なものを食べたいという傾向が見受けられ、例年よりも豪華なおせちが飛ぶように売れました。
今年はどうなるのでしょうか?
今年は多くの人がワクチン接種を終えているので、昨年よりは賑やかな正月になるかもしれません。
しかし、三密を避けるという基本的な感染症対策は必要なので、昨年同様「自宅で豪華なおせちを」と考える人が多いことが予想されます。
そのため、百貨店などでは例年よりも早めくおせちの予約の受付を開始しています。
このコンテンツでは、古くから続くおせちの起源とその移り変わり。
そしてコロナ禍で人気が高まっているのはどのようなおせちなのかという点を取り上げたいと思います。
Contents
おせち料理とはなんですか
おせち料理の「御節(おせち)」とは、季節の節目(ふしめ)に当たる「節(せち)」の日を指す言葉です。
おせちの歴史は平安時代にまでさかのぼります。
平安時代の朝廷では、正月を含む5つの節に「五節会(ごせちえ)」の儀式を行い、その節ごとに特別な料理である「御節供(おせちく)」を神に供えていました。
ですからおせち料理とは、正月やその御節供(おせちく)に家族や親族で食べる料理のことをおせち料理といいます。
現代では、おせち料理の内容は地域によって多少違いがありますが、田作りや黒豆、昆布巻き、数の子などが一般的です。
今のように、お正月やそのごにおせちを食べる習慣が広まったのは、江戸時代後期になってからのようです。
それまで長い間、おせちは宮中で年に数回食べる物でした。
では次に、おせちの歴史を簡単に振り返ってみましょう。
五節供(ごせちえ)とはなんですか?
五節供(ごせちえ)の「節」とは、唐時代の中国の暦法で定められた季節の節目のことを「節」といいます。
古代中国では、3月3日や5月5日のように奇数(陽)の重なる日は、めでたい日とされる一方、陰に転じやすいとされ、邪気を払う行事が行われてきました。
遣唐使によってこの中国の暦法と風習が日本に伝わると、宮中に伝わる日本古来の儀礼や祭礼などと結びついて、中国と同じく邪気を祓う行事が行われるようになりました。
つまり神に供えものをして無病息災を祈ることから節の日の供え物、「節供」といい、「節句」の字をあてはめ呼ぶこともあります。
五節供(ごせちえ)の儀式が行われていたのは前述のとおり宮中ですが、
江戸時代に式日(祝日)として定められ、その儀式は宮中から民間へ広がってまいりました。
その後明治時代になり、その五節供(ごせちえ)の式日(祝日)は廃止されましたが、その風習が廃れることはありませんでした。
1月7日の七草、3月3日の雛(ひな)祭、5月5日の端午(たんご)、7月7日の七夕(たなばた)、9月9日の重陽(ちょうよう)の五つの節供をいう。
おせちの歴史とはなんですか?
前述のとおり、おせち料理は中国を基として、その後日本に伝わり、日本の宮中の様ざまな儀式と結びついて形式化してきました。
そのためおせち料理の基は神道ということになります。
ですからおせち料理は、稲作などの農耕で収穫した作物を神様にお供えする習慣であるといえるのです。
考えてみるとこの日本は弥生時代に入り、それまでの狩猟中心の生活から稲作を中心とした農耕生活に変わっていったと言われています。
自然に左右される農耕生活の中で、自然を神として祀り供え物をしてたのです。
ですから自然の神に豊作を祈ることになります。自分たちが生きていくためにです。
それが神道の始まりです。
その後、飛鳥時代に中国から「節句」という概念が伝わりました。
今でも3月3日は桃の節句、5月5日は端午の節句とその名残がありますが、このような一年の節目節目に神様にお供えするものを「節供」と呼ぶようになります。
その後、奈良時代から平安時代にかけて、節供の風習が宮中行事となり、「節会(せちえ)」という儀式と宴会が行われるようになりました。
その中でも、元日(1月1日)、白馬(あおうま、1月7日)、踏歌(とうか、1月16日)、端午(5月5日)、豊明(とよのあかり、11月)は五節句という特に重要な日となり、その日に振る舞われた料理は「御節供(おせちく)料理」と呼ばれたのです。
これが日本の「御節(おせち)」の語源となったと言われています。
ちなみに、御節供(おせちく)料理は今のおせち料理と違って、白米や漬物など当時の貴重な食べ物が供えられたようです。
五節句から豪華な正月料理へ・・・
前述いたしましたが、一年に数回行われる宮中の節会(せちえ)が民間にも広まったのは江戸時代のことです。
江戸時代に徳川幕府が五節句を祝日と定めたことによって、庶民の間でも「御節供(おせちく)」が行事として広まったのです。
しかしその背景には、江戸時代に国が安定したことにより、庶民にも季節の行事を楽しむ暮らしのゆとりが生まれたことも大きな理由といえます。
そして五節句の中で最も重要な元日(1月1日)の豪華料理が、正月料理として定着しました。
それが今でいうおせち料理です。
では江戸時代のおせち料理はどのような内容だったのでしょうか?
供えるおせちと食べるおせち
前述のように江戸時代に民間の間に広まったおせちですが、そのおせち料理には2種類ありました。
それは、一つ目として三方に載せて神様に供えるもの、そして二つ目として実際に食べる料理の2種類があったようです。
供えるおせち料理
必ずしも食べる物ではなく、縁起が良いとされる裏白やゆずり葉、松竹梅等の植物、それから昆布、伊勢海老、勝栗などが用意されました。
食べるおせち料理
食べるおせち料理は、祝い肴、煮しめ、酢の物、焼き物がありました。
祝い肴は、黒豆、数の子、ごまめ(田作り)などで今もおせちの定番になっていますね。
お供えとしてのおせちは、明治に入ってから次第に食べるおせちと一緒になり、姿を消しました。
おせちというと重箱が一般的ですが、重箱に詰めることが一般的になったのは明治時代になってからのことです。
今では食品の加工や保存方法が発達し、伝統的な料理にとらわれない様々な料理を詰めたおせちが登場しています。
では次に、様々な意味合いが込められているおせち料理の食材について見てましょう。
縁起物が多いおせち料理
おせち料理は地域によって特有のものがあります。
しかし祝い肴、煮物、焼き物、酢の物が入っているのが伝統的なおせち料理です。
その土地土地、それぞれにたくさんの食材が使われ、それには意味がありますが、代表的なものだけを取り上げます。
代表的なおせち料理の中身
黒豆 | 黒大豆を炊いたもの。 「まめ」という言葉から、健康に働けることを願う意味が込められています。 また、黒は邪気を祓うという考えもあります。 ですから黒豆はおせち料理に欠かせない料理の一つです。 |
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田作り(ごまめ) | カタクチイワシの稚魚を干して甘辛く煮たもの。 五穀豊穣を願い、「五万米」の字を当てる縁起物の料理です。 田作りという名前は、昔田んぼの肥料にイワシなどの稚魚を使用していたことに由来しています。 |
数の子 | ニシンの卵を塩漬けしたもの。 ニシンを「二親」と書き、ニシンのお腹にはたくさんの卵がつまっていることから、数の子には子孫反映の願いが込められています。 |
海老の焼き物 | 伊勢海老を焼いたもの。 海老の姿を髭が長く腰が折れ曲がっている老人に見立てて、長寿の願いが込められています。 色も赤いことからおめでたい食べ物とされている。 |
紅白のなます | 大根と人参の細切を酢で和えたもの。 祝い事に用いられる紅白の水引に見立てている。 |
酢蓮 | レンコンの酢の物。 蓮は仏教で極楽浄土に咲いている花とされていて神聖なものとされています。 またその形状から、将来の見通しがきくという縁起物でもあります。 |
昆布巻き | ニシンなどの魚を昆布で巻いて干ぴょうで結び煮たもの。 昆布と喜ぶの語呂が似ていることから、喜びの多い一年になるようにという願いが込められています。 |
くわい | くわいの煮物。 くわいは成長する時最初に大きな芽が出ることから、「めでたい」の語呂とかけています。 また立身出世を願う意味も込められています。 |
手作りから、買ってくるおせちに・・そして通販で注文
おせち料理の中身にはたくさんの種類があります。
私が子どもの頃は、お店で買って来るのは羊羹ときんとんくらいで、あとは長い時間をかけて母が作っていた記憶があります。
近年は核家族化が進み、共働き世帯も多くなりましたので、おせちを1から手作りする人は減っています。
せっかく会社が休みになったのに、混雑するお店で材料を揃え、長時間料理することはかなりの負担と感じているのです。
そのため時代と共にお店で買ってきて、詰めるのだけ自分でするという人が増えてきました。
さらに最近需要が伸びているのが、通販を利用したおせりのお取り寄せです。
いろいろな食品メーカーが作るおせちや、有名料理店のおせち、またフレンチや中華など伝統にとらわれないおせちまで、通販なら地方であっても楽しめるのです。
昨年はコロナ禍で伸び悩む飲食店の中にも、おせち料理のデリバリーで売上を伸ばしたお店があります。
ではどのようなおせちが人気なのでしょうか?
コロナで人気のおせちにも変化
コロナ禍で売上が伸びたのは、高額の豪華なおせちです。
コロナ禍では宴会ができず、旅行や帰省も控える人がほとんどでした。それなら家で食べるおせち料理だけでも豪華に楽しみたい!という人々の願いが表れたと考えられます。
また、コロナに感染する、または感染させるリスクを少しでも減らすために、一人分づつに分けられたおせちもよく売れました。
一部のデパートでは、取り分けが不要な1人用のおせちの品ぞろえを、前年比で1.5倍に増やしました。
2022年のお正月はどうなるのでしょうか?ワクチンの接種率が上がっているので、昨年に比べて自由度は高くなっているかもしれません。
しかし、ワクチンを接種しても感染したりさせたりするリスクがあるので、引き続き感染症対策は継続しなければいけない、というのが現状です。
そのため、家で豪華なおせち料理を楽しみたい高級志向層と、帰省せずひとりでお正月気分を味わう層の需要は引き続き高いと予想できます。
一人一重の取分け不要おせちも喜ばれそうです。
エコな時代のおせち容器
おせちに使用される容器で最もポピュラーなのは重箱です。
重箱はプラスチック製のものがほとんどで、作りもしっかりしているため、自宅で繰り返し使用できるのでエコと言えばエコなのですが、現代の生活で重箱の出番はほとんどないですよね。
ただの場所を取る荷物にならないために使用されるのが、紙重箱です。
紙といっても強度があり、黒木目調や桐箱風などデザインも様々です。プラスチック製のカップや仕切りと組み合わせてほとんどの料理に対応できます。
また今年は木材のおせち箱も多くのニーズがあります。
弊社でも多くのお客様からのお問い合わせをいただき、ご紹介することができました。
ここで写真はご紹介できないのですが、デリシャスフードパッケージでは様々なおせち用の容器をご紹介できますので、お気軽にご相談ください。
おせち容器の注意点
重箱などおせちに使われる容器は特別で、おせち用に作られますので、容器を注文する時期はどの工場やお店も同じで注文が殺到します。
2020年は、おせちの注文が例年よりも増えたため、容器の発注が殺到し製造が間に合わないという事態になりました。
おせちの容器は余裕をもった注文を心がけましょう。
また、年末年始は配送会社やデリバリー注文が混みあいますので、配達の手配も忘れずに早めすることをおすすめします。
まとめ
神様へのお供え物から始まったおせち料理ですが、今では年に一度、正月に食べるものになりました。
縁起の良い食べ物は今も欠かせないおせち料理ですが、それに加え、洋食や中華も加えられることがあります。
今年も昨年同様、豪華なおせちや、取り分け不要のおせち、一人から二人用のおせちが人気です。
様々なおせちに対応するぴったりのおせち用の容器をお探しの方は、是非デリシャスフードパッケージまでご相談ください。
環境に優しい紙製、木製容器もご紹介できます。