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これっ本当?! ニトリル手袋でアレルギー反応?

かつて「使い捨て手袋」と言うものは、医療や介護の現場、または食品工場など、一部の業界で使用されるものとみなされていました。

しかし、長引くコロナ禍によって、人々の衛生意識は大きく変化しました。
そのため今や使い捨て手袋は、スーパーや小売店など幅広い業界において、感染予防のアイテムとして欠かせないものとなっています。

数ある使い捨て手袋のなかでもニトリル手袋は、フィット感や突き刺し強度などに優れています。
従来ラテックス手袋を使用していた現場でも、ラテックスアレルギーを避けるために、ニトリル手袋への転換が進んでいます。

しかし、ニトリル手袋も手肌に密着するものであるゆえに、人によってはアレルギー反応が生じる場合があります。
この記事では、ニトリル手袋によって生じうる肌トラブルの種類や、安全なニトリル手袋を選ぶために押さえておきたいポイントをご説明したいと思います。

ニトリル手袋

ニトリル手袋で生じる肌のトラブルとは?

ニトリル手袋に限らず、使い捨て手袋の装着によって生じる肌のトラブルはアレルギー性接触皮膚炎刺激性皮膚炎の二つに分類されます。

アレルギー性接触皮膚炎 皮膚に触れた物質に対して免疫系が反応を起こすことで発生する皮膚炎。痒み、ヒリヒリ感、水疱、蕁麻疹などの症状があります。
アレルギー性接触皮膚炎は、原因となるアレルゲンに一度触れただけで症状が出ることもあれば、繰り返し接触することによって発症する人もいます。
使い捨て手袋の中では、ラテックス手袋で多く生じている皮膚炎です。
ラテックスアレルギーは、ラテックス蛋白がアレルゲンとなっていて、重症の場合は気管支喘息やアナフィラキシーショックなどに至ることもあります。
刺激性皮膚炎 皮膚に接触するものが持つ毒性や作用によって起こる皮膚炎です。
使い捨て手袋の場合は、手袋の装着によって皮膚が閉塞したり、刺激を受けたりすることにより生じることもあります。刺激性皮膚炎の症状は、発赤やかゆみ、乾燥などが見られます。
これはアレルギー反応とは異なるものです。

ニトリル手袋のトラブルその1:アレルギー性接触皮膚炎

ゴム手袋で生じるアレルギーとしては、以前からラテックスアレルギーが知られていました。
特に医療現場では、ラテックスアレルギーのリスクを回避するため、天然ゴムのラテックス手袋から合成ゴムのニトリル手袋への転換が進んでいます。
ラテックスアレルギーについて詳しくはラテックス手袋を詳しく解説l使い捨て手袋の選び方をご覧ください。

しかし、天然ゴムのラテックスを使用しないニトリル手袋でも、アレルギー反応が生じるケースが報告されています。
その原因を、ここからご説明したいと思います。

ニトリル手袋で加硫促進剤によるアレルギー

ニトリル手袋
伸縮性が特徴のニトリル手袋

ゴムの特徴は伸縮性です。この伸縮性によって、使い捨て手袋のフィット感が生まれます。
ゴムが伸び縮みするためには、ゴムの内部の分子同士が結びついている必要があります。

この、分子同士を化学結合させて立体化する反応を「架橋」、そして架橋するためにゴムに硫黄を添加することを「加硫」といいます。
昔から加硫はゴムに硫黄を添加し熱を加えるという方法で行われてきましたが、これには反応の終了までに時間がかかるという難点がありました。
そこで、硫黄に替わる「加硫促進剤」が開発され、短時間で加硫ができるようになりました。

加硫促進剤に用いられている物質には、ジチオカルバメート系,チラウム系,チアゾール系などがあります。
この加硫促進剤のなかに、アレルギー性接触皮膚炎を生じさせることのある物質が含まれているのです。
日本人は、チラウム系化合物にアレルギー反応を起こすことが多いという報告があります。

加硫促進剤フリーのニトリル手袋なら安心?

それでは、加硫促進剤フリーと書いてある製品を選べばよいかというと、もう少し注意が必要です。

「加硫促進剤フリー」と表示されたニトリル手袋の中には、加硫促進剤を「全く使用していない」製品と、加硫促進剤を「使用しているが、検査で検出されなかった」製品の両方が含まれているのです。
過去に、ニトリル手袋に含まれた微量の加硫促進剤によって、アレルギー反応が起きた事例が報告されています。

加硫促進剤に対するアレルギー反応ということが分かっている方は、「加硫促進剤不使用」とはっきり表示されているニトリル手袋を選ぶようにしましょう。少しコストは高くなりますが、かゆみや肌荒れを軽減できるかもしれません。

トラブル

ニトリル手袋のトラブルその2:刺激性皮膚炎

ここからは、ニトリル手袋による刺激性皮膚炎について考えてみましょう。

使い捨て手袋の一部には、着脱を容易にするために、パウダーが付いているものがあります。
パウダーの種類は、コーンスターチ、タルク、シリカ、架橋でんぷんなど複数あります。
なぜパウダーによってトラブルが生じるのでしょうか。

まずパウダーによって、装着中に手の角質が傷つき、皮膚のバリア機能が低下してしまいます。
そしてバリア機能が低下した状態で、洗剤を使った水仕事などを繰り返すことによって、肌荒れを起こしてしまうのです。

また、これはアレルギー反応になりますが、トウモロコシアレルギーの人がコーンスターチを使用した手袋を使用することにより肌のトラブルを抱えることも知られています。

パウダーを使わない表面処理

パウダーによる刺激性皮膚炎をさけるためには、「パウダーフリー」と表示されたニトリル手袋を使用することをお勧めします。

パウダーフリーで着脱しやすいニトリル手袋には、表面処理がされています。
表面処理の主な手法は以下の通りです。

塩素処理 塩素水に手袋を浸漬することで、手袋の表面に極めて薄い塩化ゴムの層を作ります。この層がゴムの粘着を防止し、さらりとした感触を生み出して、手袋の着脱をスムーズにします。
ポリマーコーティング 所定の濃度に希釈したアクリル系、ウレタン系の溶液に手袋を浸漬することで、手袋の表面にポリマー層を作り出します。この層によって手袋のゴムが肌に直接触れなくなるため、手袋の着脱がスムーズなります。

ニトリル手袋による肌のトラブルの原因は様々

肌の状態は人によって様々です。そして体調次第では、普段は肌に問題のない人でも、ある時突然症状が出ることもあります。

特にコロナ禍の今は、頻繁に手洗いやアルコール消毒をするため、普段よりも肌の過敏になっている人が少なくありません。
症状の見た目だけでは、それがパウダーのせいなのか、加硫促進剤のせいなのか、はたまた汗でかぶれているのかなど原因は分からないかもしれません。

いずれにしても、異物が付いた状態は肌の負担となります。
使い捨て手袋の使用後は、よく手を洗い、保湿に心がけることがケアの基本です。そして肌に異常を感じた場合には、早めに皮膚科の受診をお勧めします。

まとめ

この記事では、ニトリル手袋の装着で生じうる肌トラブルについて考察しました。
使い捨て手袋のなかでも、手にピッタリとフィットして作業性に優れており、食品にも安心して使用できるニトリル手袋は重宝されています。

しかし使用者次第で、ニトリル手袋がアレルギー反応や肌荒れの原因となることもありますので、購入前にはパウダーや加硫促進剤の有無をよく確認するようにしましょう。

デリシャスフードパッケージがご紹介するニトリル手袋は、パウダーフリーで塩素処理がなされた食品衛生法適合製品です。
そして、指先、手のひら、手首と部位によって厚さを変えており、薄くても破けにくい機能的な製品です。

従業員にも食品にも安全な使い捨て手袋をお探しの方は、デリシャスフードパッケージまで是非お問い合わせください。

アレルギー対策にお勧めのニトリル手袋

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