プラスチックは焼却処理をする際、二酸化炭素を排出します。
その多量な二酸化炭素の排出は、地球温暖化の主な原因と言われています。
そのためプラスチックゴミの問題の解決が世界中で重要視されるようになり使い捨てプラスチック削減の取り組みが進められています。
それに伴い、プラスチックの代わりとなる紙や木製容器などエコ素材のニーズが高まっています。
非木材パルプを使用したバガスもその一つです。
ではそのバガスとは何でしょうか?バガスを利用した食品容器にはどんなものがあるのでしょうか?
着色や印刷は出来るのでしょうか?
このコンテンツでは、エコな容器を導入したい方に参考にしていただけるようないろんな疑問にお答えしたいと思います。
Contents
バガスとは何ですか?
バガスとは、サトウキビの搾りかすのことで、砂糖を作るための糖汁を絞り出したあとに残る繊維を指しています。
バガスは昔から紙、燃料、堆肥、飼料原料などにおいてよく利用されていました。
しかしバガスの殆どは廃棄されることが多く、世界の農作物第7位になるほどサトウキビがたくさん生産されている分、廃棄処理されてしまうバガスが増えています。
そんなバガスを有効活用するため、近年では紙皿などバガスを使った食品容器が開発され、利用が進んでいます。
例えば峠の釜めしを販売する「おぎのや」では、通常の益子焼容器の他にバガス容器が使用されています。
バガスはプラスチック削減のデメリットをカバーしてくれる!
地球温暖化の解決に向けて脱プラスチックの取り組みが進んでいることは喜ばしい事ですが、プラスチックの代わりとなる紙製品の消費が増えることにより森林伐採が進み、ますます地球温暖化が加速してしまうのでは?と考える方もいらっしゃるかと思います。
しかしバガスは、基本的に二年以上は栽培期間が掛かる木とは別で、一年で入れ替わるサトウキビが元なので、森林伐採の心配はありません。
またゴミになっていたサトウキビを有効に活用しているためエコな素材とも言えます。
それだけでなくバガスは木材よりも柔らかいので、製紙過程でのエネルギーが木材パルプより少なくて済むという利点があります。
バガスは可燃ごみとして焼却処分してもカーボンニュートラルな素材のため地球温暖化問題にも貢献することができます。
このようにバガスは、森林伐採の増加や焼却処分による二酸化炭素の増加等といったプラスチック削減に伴うデメリットをカバーしてくれる素材と言えます。
バガスの”メリット”と”デメリット”は何ですか?
バガスのメリットとして、電子レンジの使用が可能という点が挙げられます。
「電子レンジで紙容器を温めたら燃えてしまうのでは!?」と思う方が多いと思いますが、バガス容器はほとんどが電子レンジの使用が可能なので安心です。
また、バガス容器は厚みがあるので、保温性があります。
そのためスープなどの熱い食品を入れても熱が手に伝わりにくく火傷しにくいというメリットもあります。
その反面バガスのデメリットとしては、水分に弱いという点が挙げられます。
ですから湿気の多い環境で保管・使用すると変形する可能性があるため使用には注意が必要です。
そしてプラスチックに比べるとコストがかかるというデメリットもあります。
また、色付き容器として加工するには不向きな素材です。
ですが、不可能ではないためご安心ください。容器の着色についてはこのコンテンツの後半で紹介します。
バガスのデメリットを抑える”ラミネート加工”
先ほどバガスのデメリットとして、水分に弱いという点が挙げられましたが、それは飲食店でバガス容器を使用する際に大きな壁となってしまいますよね・・
ですがご安心ください!そのデメリットを抑える加工がされている容器もあります。
それは、ごはんがくっつきにくく、水や油を浸みにくくする”ラミネート加工”です。
またバガス容器は、容器の素材だけでなく”ラミネート加工”においてもエコ意識が高い容器です。
通常ラミネート加工はプラスチックフィルムを使用しますが、植物由来のPLAを使用しているバガス製品もあるのです。
*PLAとは、トウモロコシなどの植物に含まれるデンプンを原料とした植物由来のプラスチック素材(ポリ乳酸)のことです。一定の条件を満たしていれば、土中の身生物等により、水と二酸化炭素に分解することができます。
また、バガスのような紙容器はフタがぴったり閉まらないことからお弁当には不向きと思われてきましたが、内篏合でぴったり閉まるバガスの共蓋も開発されています。
このようにエコ容器の技術は日々進歩しています。以前機能面で不足があって紙製容器の利用を諦めていた営業者の方も、是非今一度エコなバガス容器を検討してみるのはいかがでしょうか?
気になった方はデリシャスフードパッケージのお問い合わせページまでご連絡ください。
バガスを使用した食品容器のご紹介
ここまでバガス容器の特徴やメリットデメリットなどについてお話してきましたが、具体的にバガスを利用した食品容器にはどんなものがあるのでしょうか?
数ある中でも特にお勧めしたいバガス容器をご紹介します。
右の画像の容器を含むシンギコーポレーションのバガスモールドシリーズには、シンプルなランチボックスや、お洒落なデリにピッタリのロック付き容器、PLA加工されたスープカップなどがあります。
容器も蓋もバガスのものや、蓋だけプラスチックのもの、またフタがぴったり閉まって外れにくい内篏合蓋など、機能面で選ぶことができるのもポイントです。
またあえてラミネート加工を施さず、エコな雰囲気が前面に出ている容器もあります。
ダイモンフードパックのSATOKIBIシリーズは、-20℃~180℃まで対応しており、かさばらずストックしやすい容器です。
with PLAも-20℃~100℃に対応しており、お米がくっつかず、汁もれにも強いです。
底面にARIGATOと刻印されているものもあり、可愛いと人気の高い容器です。
バガス容器に着色や印刷は可能ですか?
単刀直入にいうと”印刷は”可能です。
バガス容器の製造はサトウキビ原料を砕いて水に溶かすところから始まるのですが、バガス容器に色を付けようとする場合、容器の製造過程のはじめに原料にインクを混ぜることになるため、水を含んだ原料とインクを混ぜることになります。
そのため配色が難しいので”着色”は不可能です。
また着色する場合は生産後の機械を洗う必要が増えたり、着色剤によるコストの上昇など様々なデメリットがある為オススメしません。
印刷の場合、ローラーなどの間を通すオフセット印刷などはできませんが、インクジェット印刷、パッド印刷、箔押、エンボス加工などが可能です。
バガス容器は素材に厚みがあるので、エンボス加工はは味が出てお洒落な風合いになるのでオススメです。
そのため、オリジナルをご希望の場合は印刷やエンボスなどがオススメです。
ちなみにシンギコーポレーションでは、プラスチック蓋へのロゴの刻印に対応しています。
バガス容器は何ゴミですか?
バガスはいざ使ってみると意外とかかさばるので飲食店としては処分方法も気になるところです。
ではバガスは何ゴミに捨てればよいのでしょうか?
結論から言うと、それは自治体によって異なります。
バガス・パルプモールドはエコな素材として注目され、様々なパッケージや容器に使用います。
ただ、いざ使ってみるとパルプモールドは意外とかさばります。飲食店としては処分方法も気になるところです。何ゴミに捨てればよいのでしょうか?
結論から言うと、それは自治体によって異なります。ほとんどは紙として燃えるゴミで可能ですが、段ボールと一緒に回収する自治体もあります。
詳しくは住んでいる自治体の案内を確認しましょう。
100%植物原料のバガス・パルプモールドは燃やしても、カーボンニュートラルですから、安心して使い捨てできます。
バガス容器のまとめ
ここまでバガスに関する色々な疑問に答えてきましたが、参考になる情報は見つかったでしょうか?
100%植物原料で環境にやさしいバガス容器は、森林を保護しCO2削減による地球温暖化の進行防止のも繋がります。
紙製容器の特徴ともいえる水に弱いというデメリットも、今では植物由来プラスチックのラミネート加工により解決され、スープも入れられるほどになっています。
脱プラスチック活動に伴ってお客様もエコを意識している方が増えていますので、販売側としても環境にやさしい容器を提供してイメージアップを図るのも良いでしょう。
エコな容器には、カトラリーもナチュラルなものがオススメです。容器やカトラリーの選び方については、デリシャスフードパッケージのお問い合わせページまでご相談ください。
幅広い知識でサポートいたします。