PVC手袋の”PVC”とは何ですか？

”PVC”とは、ポリ塩化ビニル【poly vinyl chloride】の略称で、一般的には塩化ビニール、塩ビ、ビニールなどと呼ばれている素材です。

PVCは大きく分けて、シャンプーの容器やクレジットカードなどに使用されている「硬質塩ビ」と、レインコートや食品フィルムなどに使用されている「軟質塩ビ」があります。
使い捨て手袋に使用されているのは軟質塩ビです。

PVCには以下のような特徴があります。

PVC手袋の特徴(長所と短所)

PVC手袋の長所の1つとして薬品に強い素材であることが挙げられます。
何故ならほとんどの酸やアルカリに影響を受けることがなく、硫化水素にも耐えることが出来るからです。
しかし、シンナーやアセトンなど一部の有機溶剤では溶けてしまうため、有機溶剤を使用する場合は事前に確認が必要です。
また、PVC手袋はニトリル手袋の次に伸縮性があるため、指にフィットしやすく手作業に向いているという長所もあります。
そして何より価格が安いことも長所といえます。

短所としては、突き刺しなどの破損に対してはあまり強くない点が挙げられます。
また、PVC手袋では食品を扱えないことがほとんどです。
何故でしょうか？
では次にその理由と言えることについて紹介します。

PVC手袋では食品を扱えないのですか？

PVC手袋では食品を扱えないことがほとんどである理由には食品衛生法が関係しています。
食品衛生法とは、食品や食品添加物、食器や容器等に対して定められた、飲食によって生ずる危害の発生を防止するための日本の法律です。
その中で食品加工や盛り付けなどに使用する使い捨て手袋も、食品衛生法による規制の対象になるのです。

PVC手袋には、硬いプラスチックを柔らかく加工するために添加物が使われているのですが、その添加物の中には「フタル酸エステル」などがあります。
実はこのフタル酸には、低レベルながら発がん性があると言われているのです。

PVC手袋を食品加工に使用した場合、使用状況によっては手袋からフタル酸が溶出する可能性があるため、食品に付着してしまう可能性があることも明らかになっています。
感染予防の為にゴム手袋を使用しているのに、ゴム手袋によってガンになる可能性があることは恐ろしいですよね。

そのため食品衛生法では、食品用の容器や手袋などへのフタル酸エステルの使用が禁止されています。
⊛(ちなみに海外では、おもちゃを中心にフタル酸エステルが規制されています。)

しかし中にはごく一部ですが、食品衛生法適合のPVC手袋もあります。
ですからPVC手袋を食品の加工や盛付等に使用したい場合には、この点をよく確認するようにしましょう。

PVC手袋はどのような作業に適していますか？

最後に、PVC手袋の特徴を踏まえたうえでどのような作業に適しているのか考えてみましょう。

PVC手袋は、指先にもフィットして滑りにくいので細かな作業に適しています。
そのため清掃を含め、日常的な作業にも安心して使用することが出来ます。
また、薬品に強いため、パーマ液を使用する美容・理容業界でも活用することが出来ます。

PVC手袋には薄いものも厚いものもある為、作業内容に合わせて選ぶことができます。
PVCは油分にも強い素材なので、ガソリンスタンドや機械油などが手につく作業でも使うことが出来ます。

コロナ対策として、塩素系漂白剤などを使用した徹底的な消毒の作業が増えているので従業員の手荒れ防止としても安心して使えます。

PVC手袋のまとめ

今回の記事では、様々な種類のあるゴム手袋の1つ、”PVC手袋”について紹介しました。

PVC手袋は食品を扱う面では適していませんが、この記事では、数ある使い捨て手袋の中の、PVC手袋について考察しました。

PVC手袋は食品の取り扱いには適さないとはいえ、 薬品だけでなく石油や灯油、洗剤や酸に強いので作業効率の良い心強いアイテムです。

ですから、厨房ではニトリルを使用し、レジや清掃などにはPVCを利用するなど、作業によって使い分けることで、用途によってはコスパの良いPVC手袋に切替えることは実用的と言えるのではないでしょうか。

実際、コロナ禍が長引いていることによる使い捨て手袋の需要の増大や、原油の値上がりによるコストの上昇はまだまだ続く見込みです。
ですから使い捨て手袋を日常的に使用している方は、是非一度、代替品についてもご検討することをお勧めします。

代替品となる使い捨て手袋をお探しの方は、デリシャスフードパッケージのお問い合わせページに是非ご相談ください。
御社の用途やご予算を踏まえて、最適な使い捨て手袋をご紹介させていただきます。