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プロが教える!紙製包装容器などが値上がりしている3つの理由

プロが教える!紙製包装容器などが値上がりしている3つの理由

2022年は食品をはじめ様々なものの値上げラッシュが起きています。
よくニュースで目にするのは、食品、ガソリン、電気、ガスなどですが、実は紙製の包装容器も値上がりしています。
紙製の包装容器は、紙袋、紙コップ、ハンバーガーの包み紙、ポテトの容器などいたるところで使用されています。

また最近では、使い捨てプラスチックの削減のために、プラスチック容器の替わりに紙製の容器を使用するお店がふえてきました。
そのため、紙の価格が高騰している現在、多くのお店が影響を受けています。

新型コロナウィルスの影響で売上が不安定な現在、店舗で使用する消耗品の値上がりの影響は小さくありません。
このコンテンツでは、紙の価格が高騰している3つの理由と、紙製容器のコストを少しでも安く抑えるための方法について取り上げます。

紙

紙の価格高騰の原因とは

紙の価格の高騰の原因には、複数の要素が関係していますが大きく分けると原油価格の高騰、紙の原料となる木材チップの価格高騰、輸送費の値上がりが影響しています。

ではまず、原油価格の高騰による影響について考えてみましょう。

理由1:原油価格の高騰

原油

プラスチックは石油資源から作られますが、紙は木材やリサイクルされる古紙から作られるのでエコである、とイメージが強くあります。

ではなぜ原油の価格が紙の価格に影響するのでしょうか。

それは紙の製造過程に理由があります。紙の製造過程を簡単に説明すると

①高温の釜で薬品をいれて木材チップを煮て繊維を取り出す
②繊維を洗う
③繊維が溶けた液体を網に吹き付けて広げる
④機械でプレスして水分を搾る
⑤蒸気で温めた鉄製のシリンダーに濡れた紙を押しつけて乾燥させる

この紙の製造過程のうち、⑤の紙を乾燥させる過程で燃料を大量に消費するのです。
このように考えると、紙は素材からみるとエコですが、その製造過程ではたくさんの石油を消費しているという面があることが分かります。

そのため日本の製紙会社では、製紙工場での石炭石油の使用を抑えクリーンエネルギーを増やすという取り組みがなされています。

原油価格が高騰しているのはなぜ?

原油価格は数年前から上がっています。
世界的な脱炭素の動きの加速により、天然ガスや石炭価格が上昇し、その代替として原油の需要が高まったことも一つの要因です。

それに加えて、コロナ禍からの経済回復によって原油の需要が高まっているにもかかわらず、OPECが原油の増産に消極的であることから、さらに原油価格が上がっていました。
日本でもガソリンの価格が1978年のオイルショック並みとなっています。

そして最後にウクライナ問題です。
ロシアは世界有数のエネルギー大国ですが、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、多くの国がロシアに対する経済制裁を強め、ロシアからの原油の輸入が減少しているのです。
それにより、さらに原油の市場価格の高騰が続いています。

このように、複数の要因がかさなって現在の長期にわたる原油価格の高騰が続いているのです。

木材 ウッドチップ

理由2:木材の価格高騰

数年前から紙の原料となる木材チップの価格が上がっています。ここでもやはり需要と供給のバランスが関係してきます。

世界的な脱プラスチックの流れにより、紙の需要が急激に高まっているのです。
特にヨーロッパでは、日本のようにプラスチックのリサイクルに力を入れる代わりに、使い捨てのプラスチックを使わなくするという方法がとられています。

その代わりに使用されているのが、紙です。
紙に様々な加工を施すことで、プラスチックに替わる食品用包装容器に使用できるようになっているのです。
そのため、紙の需要は高まる一方です。

木材の価格が高騰しているのはなぜ?

紙の需要が増加していることに加えて、ウクライナ問題によりロシア産パルプの流通が減少しているというのも、紙の価格高騰の一因です。
ロシアには世界の森林面積の5分の1を占める森林が存在していて、木材チップやパルプなどが輸出されています。

欧州はロシアに対する経済制裁の一環として、木材チップやパルプの他、製紙工場に必要な化学薬品などの物資を規制しており、ロシア国内の製紙工場の中には操業停止に追い込まれているところもあるようです。
ウクライナ問題は世界的な紙の価格にも影響しているのです。

この影響は日本よりもヨーロッパで大きく、ヨーロッパでは操業停止になる製紙企業が出ているほどです。

理由3:物流コストの高騰

コンテナ

物流コストと一口に言っても、その中身は様々ですが、特に原油価格の高騰世界的なコンテナ不足が関係しています。

まず、理由1で考えた原油価格の高騰により、燃料費が高くなっています。
これは車のガソリンも同じなので容易に想像できるでしょう。

しかしそれ以上に輸送コストを押し上げているのは、コンテナ不足です。
コンテナはわたしたちの生活にあまり身近なものではないので、ピンとこない方がほとんどだと思いますので、物流におけるコンテナの流れについて簡単にご説明したいと思います。

コンテナを所有しているのは、船会社や物流輸送の専門会社です。
①物流会社が空のコンテナを用意して、依頼された貨物を向上などに引き取りに行きます。
②製品を積み込んだコンテナは港からそのまま貨物船に積み込まれ、目的地の港に向かいます。
③到着地の港では輸入前の税関検査があり、検査を通過したコンテナをトラックが引き取ります。
④トラックはコンテナを牽引してそのまま倉庫や工場などの目的地に運び、そこではじめて荷物がコンテナから取り出され納品されます。
⑤荷物を降ろして空になったコンテナは再びトラックが港に戻します。

これがコンテナを使った海上輸送の流れです。

コンテナの数には限りがあるので、効率よくコンテナを回転させるためにどの船会社でも貨物が港に入ってから空のコンテナを返却するまでの日数が定められています。

しかし、新型コロナウィルスの世界的なパンデミックにより、港湾作業員や税関職員、またトラックの運転手まで、物流に関わる至る所で人手が足りなくなりました。
そのため、コンテナの流れが滞りコンテナ不足が生じ、物流が滞ったり、運賃の値上がりという結果になっているのです。

では、紙の価格高騰の影響を小さくするために、飲食店などはどのように対処したらよいのでしょうか?

紙製品の値上がりにはどう対処する?

まずは仕入れルートの見直しをおすすめします。

わたしたちがスーパーで買い物をするときのことを考えると、主婦であればお肉が安いのはこのお店、醬油や油が安いのはこのお店、と安く購入する方法を考えます。
また、わたくしの家のように食べ盛りの子供がいれば、肉は1キロで安くまとめ買い、という方法もあります。

お店で使う消耗品も同じように、どこで安く買えるか、また一袋ではなく1ケースで買うことはできないかなど、検討してみることをおすすめします。

これは基本的なことに思えるかもしれませんが、毎日の業務に追われていて仕入れルートの見直しができていないということはよくあることです。

デリシャスフードパッケージでは、お客様が今お使いになっている消耗品などを少しでも安くできるか、ご相談にのっています。ぜひ一度、比較検討することをお勧めします。

一括購入で仕入れ価格を下げる

次に、チェーン店など複数店舗があって、それぞれが同じような消耗品を使用している場合、一括購入をするという方法があります。
これは会社によりできる場合とできない場合があるかもしれませんが、もしできた場合にはかなりのコストの削減になります。

一括購入を検討する際には、各店舗の月間使用数量や現在かかっているコストを数値化し、もし一括購入したらどのくらいのコスト削減になるのかを比較してみる必要があります。

次に一括購入で問題になるのが、保管場所です。
一括購入をする場合、一か所に納品されてそれぞれの店舗に発送するケースや、それぞれの店舗に配送するケースなどがあります。

複数の消耗品を一括で購入する場合、すべてを一箇所に納品した方がコストが安く済みますが、保管場所がなかったり、複数店舗への発送をする手間が大変というケースが多くあります。

もし、保管場所や発送がネックになっている場合は、ぜひデリシャスフードパッケージにご相談ください。
デリシャスフードパッケージでは、契約している外部倉庫を活用し、お客様からご発注いただいた商品の手配から倉庫での預かり、店舗への発送まで、まさに上流から下流までトータルでご案内しています。

紙製包装容器などが値上がりしている3つの理由-まとめ

紙はプラスチックに比べて二酸化炭素の排出量が少ないエコな素材と言われています、
しかし、現在は原油価格や木材の値上がり、コロナの影響など様々な理由で紙製品が値上がりしています。

飲食店に欠かせない紙製の包装容器のコストを抑えるために、まずは仕入れ先の再検討をお勧めします。
また、小ロットで購入していたものをケース買いにできないか、また複数店舗で一括購入できるかなどを考えてみることができます。

店舗で使用する包装容器や衛生用品などをお探しの場合は、是非デリシャスフードパッケージにご相談ください。

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