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地球温暖化対策―バイオマスプラで二酸化炭素の削減は本当に可能?

地球温暖化対策―バイオマスプラで二酸化炭素の削減は本当に可能?

2022年4月1日から、プラスチック資源循環促進法が施行され、使い捨てプラスチックの使用を避ける動きが広まっています。
この法律の背景には、海洋ゴミや気候変動などの環境問題が世界的に問題視されていることがあります。

地球温暖化の原因には様々なものが関係しているようですが、二酸化炭素も温室効果ガスであり大きな要因と言われています。
そこで、ワンウェイプラスチックを使用後ゴミとして捨て、その過程で二酸化炭素が排出されるというパターンからの逸脱に向けて、代替プラスチックの利活用が推奨されているのです。
その代替プラスチックの中でも最近よく耳にするのが、「バイオマスプラスチック」です。

では、バイオマスプラスチックによる製品を使えば、二酸化炭素排出は抑制できるのでしょうか?

今回はバイオマスプラのCO2削減効果について取り上げたいと思います。

バイオマスプラで地球温暖化ガス(CO2)削減はできるのか?

結論から申し上げますと、理論上は従来のプラスチックより削減できます。

バイオマスプラスチックの処分は、石油由来のプラスチック同様に焼却などにより処分されるため、その際にどうしてもCO2が発生してしまいます。
しかし、その排出されたCO2は、バイオマスプラの原料となる植物によって吸収されることになります。

この点、文献値では、フィルム製品1トンあたり0.45トンのCO2が吸収できるという計算が出されています。
2019年における日本の廃プラスチック総排出量は850万トン(環境省)と推定されていますので、単純計算でも年間382.5トンのCO2が石油系プラスチックよりも吸収できるという算段になります。

石油由来のプラスチックをバイオマスプラスチック製品に変えるだけで、理論上はこれだけの効果が想定されるのです。

この理論を理解するためには、そもそもバイオマスプラとは何なのかを把握することがカギになります。

バイオマスプラスチックとは何ですか?

バイオマスとは、バイオ(生物)とマス(量)が結びついた生態学の専門語です。
要するに、バイオマスとは、自然界にある動植物から生まれた、再生可能な有機性資源(石油等の化石燃料以外)などからできた資源のことです。
その有機性には、木くずや紙くず、トウモロコシ、キャッサバ、バガス(サトウキビ)などがあります。

バイオマスの元をたどれば、太陽と水と二酸化炭素があれば補給される植物や生物であり、それらは人間の消費速度以上に補給可能なもののため、再生可能な天然資源と言われています。

原料がCO2を吸収してくれる

バイオマス サトウキビ

バイオマスプラスチックの原料はトウモロコシやサトウキビが多く、それら植物は育つ過程でCO2を吸収しています。
そのバイオマスプラ製品を焼却して二酸化炭素が発生したとしても、それは植物によるCO2吸収と資源活用のサイクルの一端となります。

ですから、前述のとおり、理論上は二酸化炭素増加には繋がらない、つまりカーボンニュートラルな製品ということになります。

バイオマスプラスチックが地球環境に優しいプラスチックだと言われているのにはこのような理由があるのです。

活躍の場を広げるバイオマスプラスチック

現在すでに各企業が包装や繊維などの素材で石油由来のプラスチックからバイオマスプラスチックへの切り替えを進めており、プラスチック資源循環促進法の施行に伴いその勢いは加速しています。

例えば株式会社セブンイレブン-ジャパンはバイオマス素材を30%配合した環境配慮型カトラリーを全国セブン-イレブンで導入しています。

タリーズコーヒーでは、バイオマスプラスチック25%配合のストローやテイクアウト用レジ袋を提供するなどの取り組みを行っています。

バイオマスプラを使用するメリット

握手

バイオマスプラスチック製品を使用することは、従来の石油由来プラスチックを使用するよりも余分にコストがかかることになります。

しかし、2020年のレジ袋有料化以降、消費者の環境問題への意識は高くなっています。
そのため環境問題に積極的に取り組む企業への好感度も高くなり、結果として企業側は自社のイメージアップを図ることが可能になります。

コストがかかっても、企業の価値を向上させることにつながるため、バイオマスプラの導入を拡大しようとする動きが高まっています。

バイオマスプラでCO2削減ーまとめ

プラスチックは、今や私たちの暮らしには欠かせません。
しかしその製造と処分の過程で発生する二酸化炭素を削減し、地球の環境問題に少しでも歯止めをかけたいのも事実です。

そこで、代替プラスチックとしてバイオマスプラが注目されています。
バイオマスプラはCO2を吸収して育った植物が原料であり、使用後に焼却処分したとしても、理論上は大気中のCO2急増にはつながらないとされています。

まずは身近なところで、これまで使用してきたワンウェイプラスチックをバイオマスプラに切り替えられるか検討できるかもしれません。

環境を考慮してバイオマスプラスチック100%の素材も出てきています。

バイオマスプラを使用した様々な製品をご紹介できますので、デリシャスフードパッケージまでご相談ください。

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