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プラスチック12品目を正しく理解して生き抜く知恵!|プラスチック資源循環法
kanako店員

2022年4月から、今迄みたいにプラスチックのスプーンやフォークをお店で渡せなくなるって聞いたんだけど、本当ですか?

NORIHITO営業マン

そう思っている人って案外多いだよね。

まずはその疑問にお答えします。
以前とりあげたプラスチック資源循環法について簡単におさらいしてみましょうね。

プラスチック資源循環法とはなんですか?

プラスチック資源循環法は、2022年4月1日に施行されました。
プラスチック資源循環法とは、プラスチック製品の設計・製造、そして販売、廃棄物の処理というプラスチックを製造するという全体の流れの中で3R+Renewableを推し進め、日本を循環型経済(サーキュラーエコノミー)への移行を推し進めるための法律です。

簡単にいうと、プラスチック資源循環法はプラスチック廃棄物の抑制や資源の有効利用、温暖化や海洋プラスチックごみ問題などを解決するための法律です。
そうすることにより日本を循環型経済へと導くものとなっています。

プラスチック資源循環法の最も大きな目的は、地球温暖化の原因と言われている二酸化炭素を削減することです。
これはカーボンニュートラルや脱炭素というキーワードでも浸透しています。

日本では1997年から施行されている容器リサイクル法(容リ法)があり、PETボトルやプラスチック製の包装容器が分別回収されています。
しかし、容器リサイクル法(容リ法)には限界がありました。
容器リサイクル法(容リ法)で回収されないプラスチック製品がたくさんあるからです。
また、回収された多くのプラスチック廃棄物が、リサイクルされ、資源として活用されていないのが現実だからです。

そのため、今回プラスチック資源循環法によって、プラスチック製品の設計・製造から回収までの各段階で再資源化を促進する、さらに踏み込んだ施策がまとめられたのです。

その中でも、消費者に大きく関係するのは、使い捨てのプラスチックスプーンやフォークなどを含む「特定プラスチック使用製品」です。
詳しくは・・・

プラスチック資源循環促進法が必要になった背景

カーボンニュートラル

プラスチックは、非常に安く購入ことができ、しかも丈夫で軽く、使いやすいものです。
ですからペットボトルをはじめ身の回りのおおくの製品に使われています。
しかし、世界に比べ比較的に日本ではプラスチックの廃棄による環境汚染は少ないといえますが、
世界に目を向けるとプラスチックがきちんと捨てられず川や海に流出すると、プラスチックは半永久的に分解されないため、生態系に大きな影響が与えることが心配されています。

日本でも川や海などでプラスチックが捨てられているのを見ることがありますが、
東アジア・東南アジア方面に行って川をみると日本など比較にならないくらいのプラスチックごみが川や海、道路に捨てられています。

このようにプラスチックは私たちの生活に欠かせない化学製品の一つですが、近年このプラスチック製品の製造・廃棄などによる環境(大気・海洋など)汚染が問題となっているのです。
そして紫外線や波の力などで細かく砕かれた「マイクロプラスチック」は、すでに私たちの食べ物にも含まれており、人体への影響まで心配されるようになっています。

こうした廃棄されたプラスチックごみ問題を含む、プラスチックごみが関係する地球環境問題に対応するため、日本は次のような国際的な約束をしています。

大阪ブルー・オーシャン・ビジョン 2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減
(2021年3月に策定)
プラスチック資源循環戦略 【リデュース】
2030年までにワンウェイプラスチックを累積25%排出抑制など

【リユース・リサイクル】
①2025年までに、プラスチック製容器包装・製品のデザインを、容器包装・製品の機能を確保することとの両立を図りつつ、技術的に分別容易かつリユース可能又はリサイクル可能なものとすることを目指す。
②2030年までに、プラスチック製容器包装の6割をリユース又はリサイクルするよう目指す
③2035年までに、すべての使用済プラスチックをリユース又はリサイクル、それが技術的経済的な観点等から難しい場合には熱回収も含め100%有効利用するよう目指す。

【再生利用・バイオマスプラスチック】
2030年までに、プラスチックの再生利用(再生素材の利用)を倍増するよう目指す。
2030年までに、バイオマスプラスチックを最大限(約200万トン)導入するよう目指す。
(2019年5月に策定)

2050年カーボンニュートラル 2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする
(2020年10月に宣言)

こうした背景のなか、日本はサーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行を推し進めるため、3R+Renewableを原則としたプラスチック資源循環促進法が必要となり、作られることになりました。

3R+Renewable(リニューアブル)とはなんですか?

3R+Renewableとは、ごみを減らす3通りの方法(Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル))を標語にした3つのRに、従来「ごみ」とされ廃棄されていたものを再生可能な資源に替えることを意味するRenewable(リニューアブル)を加えた総称のことを3R+Renewableといいます。
この3R+Renewable(リニューアブル)の原則は、国際的に環境への負荷が問題化しているプラスチック製品を対象に、捨てることを前提としない経済活動の促進をはかる「プラスチック資源循環促進法」の基本原則になっています。

この基本原則となった3Rを詳しく解説いたします。
3Rの一つの目のRはリデュース(Reduce)です。これはごみの発生を減らすという意味です。
3Rの二つの目のRはリユース(Reuse)です。発生したごみを繰り返し使うことを意味しています。
そして3Rの三つ目のRはリサイクル(Recycle)です。発生したごみを資源として再利用することを意味しています。

ですから3Rとは、3Rに取り組むことでゴミの量をできるだけ少なくし、そうすることでゴミの焼却や埋立処分によって排出されるガスによる環境への悪影響を極力減らし、限りある地球の資源を繰り返し有効に使う社会(=循環型社会)をつくろうとするものです。

Renewable(リニューアブル)とはなんでしょうか。
Renewable(リニューアブル)とは「再生可能な資源に替えること」です。
たとえばプラスチック製のレジ袋をバイオマスプラスチック製に替えていくことやリサイクルPETを使用することなどがこれにあたります。
日本でも政府によって2030年までにバイオマスプラスチックを約200万t導入することが目標となっています。

特定プラスチック使用製品とはなんですか? 

プラスチック資源循環促進法によれば、特定プラスチック使用製品とは、「商品の販売または役務の提供に附随して消費者に無償で提供されるプラスチック使用製品」のうち政令で指定されたものが、特定プラスチック使用製品となっています。

ここで定義となっている消費者に無償で提供されるプラスチック使用製品には、例えばお弁当を買うと付いてくる無料のスプーンやフォークなどが該当します。

そしてプラスチック資源循環促進法では、そのうちの12品目が削減対象の「特定プラスチック使用製品」に該当するものとされました。

その削減対象の「特定プラスチック使用製品」の12品目は以下のようになっています。

関係する業種 特定プラスチック使用製品
百貨店、スーパー、コンビニ、飲食店、通販事業 主としてプラスチック製のフォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストロー
ホテル、旅館、簡易宿泊所など ヘアブラシ、クシ、カミソリ、シャワーキャップ、歯ブラシ
クリーニング店 ハンガー、衣類用のカバー

特定プラスチック使用製品の12品目は本当に削減可能なのか?

今回選ばれた特定プラスチック使用製品は、私たちの生活に密着したものばかりですが、本当に削減できるのでしょうか?

実はこの12品目が選ばれたのには理由があります。
それは、この12品目はいずれも木や紙、バイオマス製品などの代替製品が流通していたり、ホテルのアメニティなどのようにすでに最低限のサービスへと移行している商品ばかりなのです。

また、クリーニング店のハンガーに関しても、持ち帰る際にハンガーがなくても家に帰ってから自宅のハンガーに掛ければ問題はありません。
多くの人は家の近くの決まったクリーニング店を利用していることが多いので、ハンガーを使い捨てにせず回収することも可能です。

つまり、日本政府としては現時点で削減しやすい製品、また削減することが現実的な製品が選ばれたということです。
ですから特定プラスチック使用製品の削減は可能なのです。

では、特定プラスチック使用製品の削減はだれに求められているのでしょうか?

特定プラスチック使用製品の削減が求められている事業者とは?

上の表にあるように、特定プラスチック製品の提供事業者となるのは、百貨店、スーパー、コンビニ、飲食店、宿泊業、クリーニング業などがあります。

提供事業者の飲食店には、無店舗小売業も含まれているため、デリバリー専門のゴーストレストランや通販事業も含まれます。

では書かれている事業者すべてに特定プラスチック使用製品の削減が求められているのでしょうか。
このプラスチック資源循環促進法を守ることが求められているのは、特定プラスチック使用製品多量提供事業者のみです。

ではこの特定プラスチック使用製品多量提供事業者とはどのような事業者のことをいうのでしょうか。
「前年度において提供した特定プラスチック使用製品の量が5トン以上である事業者」のことを特定プラスチック使用製品多量提供事業者といいます。

プラスチック製品ではなく、特定プラスチック使用製品の使用量5トン以上・・・・
なかなかの使用量ですよね。

月417kg✕12か月=5トン以上

かなりの店舗を経営しているチェーン店が対応することが分かります。
ここはポイントなので忘れないでくださいね!

プラスチック資源循環法 特定プラスチック使用製品 12品目 まとめ

いかがでしょうか。
プラスチック資源循環法が設定された背景、
そして特定プラスチック使用製品の12品目について理解いただけたでしょうか。

これらのことをしっかりと理解して、
ぜひコロナ禍を生き抜いていただきたいと思っております。

もし不明点などがありましたら、なんなりとご質問ください。
デリシャスフードパッケージのコトパッケージアドバイザーは、皆さんのためになる「コト」をアドバイスいたします。

ぜひデリシャスフードパッケージのコトパッケージアドバイザーまでお問い合わせください。

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