2020年にレジ袋が有料化されてから、紙袋を使用するお店も増えてきました。
紙袋と一言で言っても、その種類は、さまざまです。
形状で分類すると、角底袋、手提げ袋、平袋などがあります。
これらの違いを簡単にいうと、「平袋」は封筒の形をしており、その平袋の形状に底マチがついたものが「角底袋」です。
どちらも安くて手軽に入手できるので、屋台やカフェなど色々なジャンルのお店でよく見かけます。
このコンテンツで取り上げる紙袋の中のもう1種類「手提げ袋」は持ち運びに便利でかわいいものも多く、多くの人が自宅に持ち帰った後も再利用しているようです。
このコンテンツでは、その手提げ袋について、詳しく取り上げます。
Contents
手提げ袋とはなんですか?
手提げ袋とは、持ち手が付いていて、手に提げることができる袋を手提げ袋といいます。
手提げ袋の素材に関していえば紙、プラスチック素材、コットンなど持ち手がついていれば手提げ袋といいます。
このコンテンツでは紙素材の手提げ袋を特集いたしますが、その紙素材の手提げ袋の持ち手には、紐、紙、プラスチックなど様々な種類が使用されています。
また、持ち手のない紙袋(角底袋)の上部に、小判型の穴を開けてハンドルにするタイプのものもあります。
手提げ袋の歴史 ー 手提げ袋は食料品店から ー
手提げ袋はいつ、どのように始まったのでしょうか。
元々、手提げ袋の元となった紙袋の始まりは封筒スタイルの平袋から始まりました。
その後紙袋のニーズを増やすため多様なアイテムを入れるために底マチを作った角底袋を作り、その角底袋が紙袋の普及に一役買うことになりました。
今でも海外のテレビや映画をみていると、食料品を大きな角底袋に入れている場面をよく見かけますよね。
しかし、多くの人は持つところのない紙袋でたくさんの荷物を持ち帰るのに苦労していました。
それを見ていたミネソタ州の食料品店の主人が、もっと楽に購入品を持ち帰れないかと創意工夫し、角底袋に穴を開け、紐を通してハンドルが付けられたのが手提げ袋の始まりだといわれています。
1915年の時点では、この手提げ袋はショッピングバッグとして50枚5セントで販売されていました。
しかし1949年には、紙袋に効率的にハンドルを取り付ける機械が開発され、デパートなどで手提げの紙袋が無料で配れるほど安価になります。
1950年代まで手提げの紙袋の注目した販売店は、紙袋にロゴを入れ、マーケティングのチャンスを広げるようになります。
買い物客が紙袋を持って歩くことで、ブランドのショッピングバッグを他の消費者が見て、宣伝効果を得ることができるようになったのです。
そして人々にとっても、ブランドのショッピングバッグを持ち歩くことが一つのステータスシンボルとなり、ますます手提げ袋が利用されていくようになったのです。
こうして、手提げ袋は、購入品を運ぶための単なる手段ではなく、ショップや企業のメッセージをアピールするアイテム、ある場合にはファッションアイテムの一部へと変化いくようになりました。
そしてその後プラスチックの製造技術の発達などにより、手提げ袋は紙製のみならず、プラスチック製や布製などの手提げ袋が出てくるようになったのです。
手提げ袋はどんなところで使用されていますか?
持ち運びに便利な手提げ袋は、サイズも様々で、食料品から雑貨、衣類までさまざまなシーンで使用されています。
身近な手提げの活用例は、ファストフード店、カフェやお弁当屋、仕出し屋などでテイクアウトに使用されている紙袋です。
中に入れる物にピッタリ合った底の幅を選ぶことによって、お弁当などをいれて運んだ時にも偏らず、安心して運ぶことができます。
手土産や贈答品などには、柄や材質も凝った手提げ袋が用意されています。
素敵なデザインの手提げ袋は、繰り返し使いたくなるものです。
そのように繰り返し使用される紙袋は、その企業の立派な広告となってくれます。
その他、企業や学校の案内や様々なカタログ、また食器類など重たいものを入れる手提げ袋には、重量に耐えられる強度の手提げ袋が活躍しています。
持ち手もプラスチックでできていて、手に食い込みにくく快適に持ち運ぶことができる工夫がなされています。
このように用途やお店によって、さまざまな手提げ袋があります。
では、自分のお店で提供する手提げ袋を選ぶ場合、どのように選択すればよいのでしょうか?
【紙袋の豆知識】紙袋のまま手土産を渡してもいいの?
取引先に持って行くお菓子を買ったら、手提げ袋の中にもう一枚手提げ袋を入れてくれました。
これは、渡すときに紙袋を入れ替えるということなんですか?
いい質問ね。
贈り物を入れる紙袋や風呂敷には、中の物を汚さないための「ホコリよけ」という目的があるの。
それで、持参した手土産は紙袋から出してお渡しすることが基本なのよ。
なるほど、昔は風呂敷を使っていたんですね。
じゃあ、紙袋のまま渡すのは失礼になっちゃうってことですか?
相手の自宅などでお渡しする時には、中の品物を出してお渡しすることが良いけど、会社や会合など、相手がその後持ち運ぶことが分かっている場合には、新しい紙袋に入れ替えたうえで「袋のままで失礼します」と一言添えてお渡しすれば大丈夫よ。
今回は、この入れ替える時のために、余分に紙袋を入れてくれたということね。
場合によって使い分けということですね。
相手に失礼のないように、お渡ししたいと思います!
手提げ袋の選び方
手提げ袋を選ぶ時には、はじめに中に入れるものサイズや大体の重さを調べます。
それによって紙の種類、その大きさ、手提げ紐の種類などが変わってくるからです。
オリジナルの紙袋を作ることを考えている場合はどうしたらよいでしょうか。
お店や企業のコンセプトをはっきりさせることがカギになります。
コンセプトとは、自分のお店の中心軸として貫かれるテーマのことです。
もっと簡単に言うと、誰のためのどういうお店か?ということです。
そのコンセプトを踏まえた上で、紙袋で宣伝したいイメージを考えていきます。
高級感、ナチュラルやエコ、和風、など、お店側が伝えたい印象を色や形に表していきます。
またプレゼントに使用する紙袋の場合、どんなお客様が利用されるかというターゲットも考慮に入れると良いでしょう。
しっかりイメージできたら、具体的に手提げ袋の種類を選んでいきます。
手提げ袋に使用される紙にはどんな種類がありますか?
紙袋に使用される紙の種類は色々ありますが、よく使われる紙にクラフト紙があります。
クラフト紙は紙の中では特に丈夫な素材で、未晒クラフト紙、晒クラフト紙、片艶晒クラフト紙などの種類があります。
紙の素材については、今後別のコンテンツで詳しく説明しますので、ここではさらっとご説明いたします。
未晒クラフト紙は、よく見かける茶色の紙袋で、紙原料そのままの茶色なのでナチュラルでエコなイメージにピッタリの素材です。
ロゴなどを印字する場合、一色印刷でも格好よく見えます。ただし表面がザラザラしていてインクを吸収しやすいため、少し沈んだ色に見えてしまうのが注意点です。
晒クラフト紙は、白く漂白されていて紙のサラサラとした手触りがあり、上品な印象を与えます。
光沢はなくシンプルな素材で、和風にも洋風にも合います。
片艶晒クラフト紙とは、晒クラフト紙の片面をプレスし艶が出るよう加工したものです。
そのため表面はツルツルしていて、オリジナルデザインの印刷も綺麗に見せることができます。
印刷がキモという紙袋にはコート紙がオススメです。
コート紙は、上質紙などの表面に鉱物や顔料が塗られており、艶やかで光沢があり、写真などの印刷にも適しています。
コート紙に印刷した場合、色移りや耐水性を高めるためにPP加工が施されます。
コート紙は厚みがあり高級感がある素材で、繊細なデザインのロゴや色にこだわりがある方にはオススメです。
手提げ袋の持ち手にはどんな種類がありますか?
紙の素材が決まったら、次は持ち手を選んでいきます。
持ち手も素材や形は様々です。
手提げ袋の持ち手は、中に入れる物の重さによって快適に持ち運びできる材質や形が決まります。
どの持ち手もある程度の強度があり、平紐以外は10kg以上の重さに耐えることができます。
手提げ袋に使用される主な持ち手を下の表にしました。
種類 | 素材 | 強度 | 印象・特徴 | 使用例 |
---|---|---|---|---|
平紐 | 紙を細く折ったもの。 | ベーシックで手軽な印象。ナチュラルなイメージ。 スタック性に優れているため、保管が楽です。 |
軽食のテイクアウトや和洋菓子、雑貨など広く使用される。 | |
丸紐 | 紙のテープを固く撚ったもの。 | 紙が自立するため持ちやすい。 シンプルな紐なので様々なデザインの袋に合う。 |
飲食店から高級ブランドまで多様なお店で使用されている。 | |
PP紐 | ポリプロピレン製。 | ふっくらとした手触りで優しい印象。 白は安っぽいイメージがあるが、色の工夫次第。 |
お酒など、重い荷物によく使われる。 | |
アクリル丸紐 | アクリル糸を編んだ紐。 芯入りにすれば紐が自立して持ちやすい。 |
紙やPP製に比べて高級感がある。 | 飲食店、アパレル、雑貨店、 ジュエリーショップなどで幅広く利用されている。 |
|
アクリル平紐 | アクリル糸でできた幅のある紐。 | しなやかで柔らかい印象。 持ちやすく、長めの紐にすれば肩掛けも可能。 重たいと紐の形状が潰され細くなるので、軽い荷物に適している。 |
アパレル系ショップなどで多用されている。 | |
ハッピータック | プラスチック製 | カチッと口を閉じることができる。 | 重たい書類を入れるのに適しており、式典や講演会で使用。 |
自動手提げって何?
通販などで紙袋を購入しようとすると、自動手提げ袋、というものが目に入ります。
「自動って何?」と思いますよね。別に紙袋が自動で開くとかそういうことではありませんので、下にご説明します。
自動手提げ袋とは、大きなトイレットペーパーのようなロール状の長い紙を切り取りながら印刷し、袋形状にまで仕上げたもののことを自動手提げ袋といいます。
つまり、機械によって全自動でできるところから「自動」と言われているのです。
自動手提げは他に「輪転紙袋」とか「MF」と呼ばれることもあります。
自動手提げの特徴の一つは、袋の口周りが切りっぱなしでギザギザの形状になっていることです。
自動手提げは持ち手の紐を付ける部分が紙一枚の強度しかないので、穴を開けて紐を通すことはできません。
そのため、紙の平紐か丸紐を紙袋の内側に貼りつける仕様になります。
持ち手も含めてすべて機械で仕上げることができるので、大量生産向きで安価なのも特徴の一つです。
自動手提げの紙袋は、コストを抑えたい方にオススメです。
今度、お店で紙袋に入れてもらったら、紙袋の口まわりを確認してみてくださいね。
紙袋を丈夫に!手提げ袋の表面加工とは
手提げ袋を選ぶとき、表面加工の有無も選択することができます。
紙袋の表面加工をすることで、色落ちを防ぎ、強度を上げることができます。
コート紙以外、表面加工が必ず必要というわけではありませんが、袋の質感を演出することもできるので、より個性的な紙袋に仕上げることもできます。
紙袋の表面加工には次のような加工があります。
PP加工 | 印刷表面全体にポリプロピレンのフィルムを貼り付ける表面加工。 隙間なくフィルムで覆うので耐水性が生まれ、水から紙を守ることができ、汚れも付きにくくなります。 また、フィルムのぶんの厚みが出るので、破れにくくもなり、紙袋の形状がしっかりします。 PP加工にはマット加工とグロス加工があります。 マットタイプは艶がなく、表面がさらりとしているので、重ねた紙袋をスッと滑らせて取り出しやすいです。 柔らかい印象になり、上品で落ち着いたデザインに適した加工です。 グロス加工は、光を反射させツヤツヤと輝く表面になるのが特徴です。 光沢が出るので、より華やかで豪華な印象になります。 お値段はグロス加工のほうが若干お安くなります。 |
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ニス引き | 樹脂製の液体を塗って透明の膜でコーティングする表面加工。 PP加工ほどの撥水性や強度増強効果は期待できませんが、値段が安価という利点があります。 また、PP加工ほどのハッキリとした光沢ではなく、さりげない光沢が欲しいという方にはちょうど良い雰囲気が醸し出せる加工です。 濃い色でベタ印刷をしたり、広い面積を印刷した場合、水や擦れによる色落ちを防ぐためにも、コスパの良いニス引きはオススメです。 また、ニス引きは「部分ニス」という塗布方法もあり、ニスだけで模様を描くこともできるので、こだわりの強さとお洒落さを際立たせるデザインにもピッタリです。 |
まとめ-手提げ袋とは?|紙袋の種類を徹底解説
手提げ袋は、便利に物を運べる機能性に加えて、お店の広告塔としての役割も果たしてきました。
カラーやデザインだけでなく、紙、持ち手、加工などの選択次第で、お店のメッセージを上手に伝えるツールになります。
自分のお店のコンセプトを明確にして、ぴったりの手提げ袋を選びましょう。
オリジナルの紙袋を作りたいとお考えの方は、是非デリシャスフードパッケージにご相談ください。
用途やお店のコンセプトに合わせて、様々なご提案ができます。