最近、ゴーストレストランとかバーチャルレストランって聞くんですが、どんなレストランなんですか?
ちょっと怖いんですけど。
ゴーストとかバーチャルと聞くと、本当に料理が出てくるのかと思ってしまいますよね。
では今回は、ゴーストレストランやバーチャルレストランとはどんなレストランなのか、なぜ今増加しているのかという点を解説します。
新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な拡大により、どこの国の外食産業も大きな打撃を受けました。
しかし、人の外食に対する意欲は新型コロナウイルス(COVID-19)が流行しても変わりません。
感染症のパンデミックによる飲食店の厳しさが背景にあったとしてもデリバリーのニーズが今まで以上に高まっています。
その中にあって異色のデリバリーが注目されています。
それがゴーストレストランやバーチャルレストランと言われるものです。
ゴーストレストランやバーチャルレストランとはなんでしょうか。
ゴーストレストランやバーチャルレストランはなぜ流行し、どのような形態があるのでしょうか。
メリットデメリットなども交えて解説していきたいと思います。
Contents
ゴーストレストラン/バーチャルレストランとはなんですか?
ゴーストレストラン/バーチャルレストランとは、一般的には実店舗としての実態を持たずに、デリバリー専門で営業する無店舗型のレストランのことをゴーストレストラン/バーチャルレストランといいます。
ゴーストレストラン/バーチャルレストランの注文は、電話やオンラインデリバリーで注文を受け付けて、サービスを展開しております。
このように店舗や看板や飲食スペースがなく、キッチンだけの無店舗型のレストランですから、ゴーストレストラン、バーチャルレストラン、ゴーストキッチン、クラウドキッチンとも呼ばれているのです。
前述のように、ゴーストレストラン/バーチャルレストランはデリバリー専門店であるため、一般的な飲食店に必要な環境の多く、例えば客席やレジ等の設備を必要としていません。
しかし今はさまざまなゴーストレストラン/バーチャルレストランが出てきています。
ゴーストレストラン/バーチャルレストランの中には、調理場を別の事業者とシェアしながら調理を行いデリバリー店を営んでいくスタイルの店舗や実店舗を持つ飲食店を経営しながらも、その設備を使い、別ジャンルのデリバリー専門店を営むようなスタイルのゴーストレストラン/バーチャルレストランもでてきています。
ゴーストレストラン/バーチャルレストランはいつ頃始まったのでしょうか。
ゴーストレストラン/バーチャルレストランはいつころ始まったのでしょうか。
ゴーストレストランは2010年代からアメリカのニューヨークを中心に広まったとされています。
それまでデリバリーを行おうとする飲食店はレストラン業務の傍ら、自社の配達員を雇ってデリバリーすることが主流でした。
しかし2014年ニューヨークに、デリバリー代行サービスUber Eats(ウーバーイーツ)の出現により、デリバリーを行いたい飲食店が料理に集中できる環境が整うようになり、ゴーストレストランの営業にも弾みがつくようになりました。
今ではそのゴーストレストランが始まったニューヨークで2013年創業の「グリーンサミットグループ」を筆頭に今も流行しており、この数年日本でもゴーストレストランは増加しています。
このゴーストレストランのほとんどは前述したようにデリバリー専門店です。
そのためゴーストレストランのキッチンで作った料理をお客様に届けるのは、UberEats(ウーバーイーツ)・出前館などのデリバリー代行業者です。
ですからほとんどのゴーストレストランは、デリバリー代行業者の注文アプリから注文を受け付けているので、注文や問い合わせの電話に出たり、代金の受け渡しをする必要がありません。
そのため、ゴーストレストランは料理を作るキッチンスタッフだけで営業することが可能です。
このようにゴーストレストラン/バーチャルレストランは、調理とデリバリー業者への商品の受け渡しだけを行うので、シェフ一人で切り盛りしているお店も少なくないのです。
なぜゴーストレストラン/バーチャルレストランが広まったのでしょうか
日本でこのゴーストレストランのような飲食のデリバリーサービスが伸びてきた背景には何があるのでしょうか?
近年日本の外食産業の市場規模は残念ながら縮小してきました。
理由は様々ありますが、一つには独身世帯や核家族化、少子高齢化などによる人々のライフスタイルの変化が挙げられています。
その結果自宅で時間をかけて料理をする人が減少し、惣菜や弁当を含むテイクアウト(中食)やフードデリバリーのニーズが増加しているのです。
その日本の飲食店の状況に変化が生まれたのが2016年、Uber Eats(ウーバーイーツ)が日本に初上陸してからです。
スマートフォンの普及とUberEats(ウーバーイーツ)の登場
日本には以前から、出前という料理を注文して配達してもらう文化がありましたが、日常的に出前を利用する人はごく限られていました。
ですから、テイクアウトの増加からデリバリーの増加までは少し時間がかかりました。
このデリバリー増加の溝を埋めたのは、スマートフォンの普及とUberEats(ウーバーイーツ)などのデリバリー代行業者の登場です。
まず、2016年UberEats(ウーバーイーツ)などのデリバリー代行業者の登場によって、それまで配達スタッフを抱えることができなかった飲食店でもがデリバリーの注文を受けることができるようになりました。
飲食店の方にデリバリーを始める環境が揃ったのです。
それと同時に、スマートフォンが広く普及し、だれでもスマートフォンのアプリを使うことによって、簡単にデリバリーを注文できるようになりました。
注文する側の環境も揃いました。
これでデリバリー増加の障壁がなくなったのです。
ゴーストレストラン/バーチャルレストランの中には、オシャレなケータリングで人気のお店もあります。
参加する飲食店が増えることにより、選択肢も増えてきました。
ですからレストランに行かなくても、自宅や会社で、パーティーやイベントなどを行えるとあって、利用が増えています。
3密や普段接触していない人と近くで接触することを避けたいコロナ禍ではこうしたデリバリーニーズがさらに高まっているのです。
ゴーストレストラン/バーチャルレストランを開業する3つのメリットとは
前述したように、ライフスタイルの変化や節約志向のためにテイクアウトやデリバリーを利用する人が増加しています。
では飲食店を開店しようと思った時、ゴーストレストランも/バーチャルレストランで開業することにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
3つのメリットについて考えてみたいと思います。
1.低コストで開業できる
飲食店の競争率は非常に高く、新たに開業する飲食店の3割は一年以内に廃業する業界です。
ですから高いコストをかけて飲食店を開業することは、はじめからかなりのリスクを背負うことになります。
しかしゴーストレストランは2つの理由で低コストで開業することができます。
ゴーストレストラン/バーチャルレストランが低コストで開業できる一つ目の理由は、ゴーストレストラン/バーチャルレストランは厨房設備があればよいので、店舗の内装工事や食器などの備品を揃える必要がないことです。
すでに厨房設備が整ったシェアキッチンを借りる方法なら、自分でキッチンの設備をそろえることなく営業を始めることができます。
二つ目の理由は立地条件です。
飲食店はすべてではありませんが、立地条件が売上をかなり左右します。
しかしゴーストレストラン/バーチャルレストランは効率よく配達ができる環境であれば、駅近や人気の住宅街ではなくても十分営業ができます。
ですから賃料を安く抑えることができるのです。
通常、初期費用として一か月の賃料の5倍以上を保証金として払う必要がありますが、賃料が安いということはこの初期費用も安くなるのです。
このような理由から、ゴーストレストラン/バーチャルレストランの開業資金は実店舗を開業する場合の1/10とも1/20とも言われています。
2.ランニングコストを抑えることができる
飲食店のランニングコストのうちは、食材を除いた大きな部分は家賃と社員の人件費です。
一つ前で説明したように、ゴーストレストラン/バーチャルレストランは厨房設備のみのコンパクトなスペースで、しかも立地条件にとらわれずに営業できるので、通常の飲食店に比べスペースも小さく、家賃も抑えられるので当然ながら賃料を安く抑えられます。
また料理はすべてデリバリーで提供するので、接客のためのスタッフを置く必要がありません。
固定費が下がります。
急に注文が重なって混みあってしまった時に混雑をコントロールできるのも、オンライン受付ならではですね。
3.柔軟な営業ができる
通常の飲食店は席数に限りがありますが、ゴーストレストラン/バーチャルレストランは食材と調理が間に合えば多くの注文をこなすことができます。
特に、前もって売上を分析し、どんな日のどんな時間帯にどんな料理のオーダーが多いのかを把握しておくことによって、多くの注文にも対応できるようになります。
さらに、ゴーストレストラン/バーチャルレストランでは新しいメニューの反応を試してみたり、お店の路線を変更したい時にも低リスクで試してみることができます。
中にはゴーストレストラン/バーチャルレストランでお客様の反応を見てから実店舗をオープンさせる経営者もいらっしゃいます。
さらにメニューも柔軟に変化させることもできます。
保有ブランドの登録メニューも変えるだけで、すぐにメニュー変更ができるんです。
契約しているデリバリーサービスのサイト上にブランドを複数設けることもできるため、「丼やとラーメン屋」など異なるジャンルの飲食店を簡単に運営できるのも、ゴーストレストランの大きな特徴です。
なるほど。特に今のようなコロナ禍ではゴーストレストランはいいことばかりのように聞こえますが、デメリットも教えてもらえますか?
ゴーストレストランを開業する3つのデメリットとは
1.デリバリーの配達コスト
ゴーストレストランにとっての強みである融通の利くデリバリーですが、その配達コストはゴーストレストランのデメリットの一つでもあります。
なぜならばUberEats(ウーバーイーツ)や出前館などのフードデリバリー業者の手数料は、注文金額の30~40%ほどとされます。
これまで利益率が10%程度で優良とされてきた外食店にとっては、このようなデリバリー業者への宅配手数料を自社で飲み込む力は無いため、その手数料はどうしても出前価格に反映されることになり、消費者にとってはどうしても割高になってしまうのです。
そのため価格を落とそうとするならば利益率が下がることになり、注文を受けても受けても薄利多売となり疲弊する飲食店も増えてきているのです。
2.多種多様化した競合店や他業種の中食需要
コロナ禍ゆえにお店にコロナ前のように入っていただく事ができず、さらに政府・自治体からの自粛要請によりデリバリー参入店は増えています。
さらにスーパーやコンビニエンスストアなどの「中食」需要もさらに拡大しており、それを含めた競争は厳しさを増しています。
またデリバリーの新規参入店の定番メニューはほぼ決まっています。
ハンバーグや揚げ物やカレー、さらに煮込み系のおかずです。
同じようなメニューになればインターネットゆえの現実が降りかかってきます。
差別化ができなくなるのです。
そうすると価格競争が激化してしまいます。
それもまたデメリットの一つです。
3.発展途上の宣伝方法媒体
UberEats(ウーバーイーツ)や出前館などのデリバリーの商圏は半径2~3.5キロといわれています。
この商圏に効果的に宣伝する方法は、ほとんどの場合自宅へのポスティングや位置情報を使ったオンライン広告などが想定されますが、その宣伝媒体が十分な費用対効果が得られるかは不透明なのが現実です。
実態の有るお店がなく新規参入のゴーストレストランには厳しい現実となる場合はあります。
これもまたデメリットの一つです。
ゴーストレストラン/バーチャルレストランの運営に欠かせないこと
ゴーストレストラン/バーチャルレストランを運営して成功するために心がけるべきなのは、「集客」です。
人々の目に付く実店舗や看板がない分、お店を知ってもらう努力は欠かせません。
ゴーストレストラン/バーチャルレストランを利用する可能性のあるお客様のほとんどは、デリバリーやケータリングのポータルサイトでお店を探します。
しかし、このデリバリーやケータリングのポータルサイトにはたくさんのお店が登録されているので、その中で自分のレストランを選んでいただくにはどうすれば良いのでしょうか?
一つの方法として、お店の独自のホームページを立ち上げることができます。
ポータルサイトを検索する人の多くは、気になったお店についてさらにインターネット上で検索をすることが多くあります。
そこでお店の独自のホームページに案内し、メニューの写真や価格だけではなく、お店の大切にしていることや目指しているコンセプト、スタッフの写真や感染症対策などの情報を提供するなら、バーチャルなレストランではあっても、お客様はレストランをより身近に感じることでしょう。
デリシャスフードパッケージでは、お店の独自の魅力的なホームページを簡単に安く作るためのお手伝いもしています。
ゴーストレストランは容器選びも大切
さらに、ゴーストレストラン/バーチャルレストランはデリバリーの際に料理の片寄りや汁漏れがないような容器が必須です。
また、暖かい料理は温かく、冷たい料理は冷たくお届けしたり、料理によってはお客様が温め直しができる容器も喜ばれます。
最近では本物の食器に見えるような使い捨て容器がたくさんあり、テーブルに並べるとレストランに来たような雰囲気です。
また、環境に優しい木製容器やおしゃれでなおかつエコなクラフトボックスなども人気です。
是非ターゲットとするお客様のハートをつかむようなデリバリー容器を選びましょう。
この点でも当店のパッケージアドバイザーはお手伝いいたします。
まとめ-ゴーストレストランとは?
ゴーストレストランやバーチャルレストランと呼ばれるデリバリーのみのレストランは、低コストで開業でき柔軟な営業ができることから新たな形態の飲食業としても注目されています。
しかし、実店舗がない分、ウェブサイトやインスタグラムなどでのプロモーションに力を入れる必要があります。
また、お店の雰囲気に合った使い捨て容器を選ぶことも大切です。
ゴーストレストランや、既存の飲食店でデリバリー営業を始めることをお考えの方は是非デリシャスフードパッケージまでご相談ください。