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その手袋本当に食品衛生法対応!?|ニトリル手袋の偽物にご用心!!

コロナ禍になって、あらゆる場所で使い捨て手袋をしようするようになりました。
その中でも、特にニトリル手袋の需要は高く、品薄状態となり価格もコロナ前より高くなっています。

この状況のためか、ニトリルとしての機能を持たないのに、ニトリル手袋と表示された手袋を多く見かけるようになりました。

この、いわゆる偽ニトリルとはどういう手袋なのでしょうか?偽ニトリル手袋に注意が必要なのはなぜでしょうか?どうすれば安全なニトリル手袋を選ぶことができますか?
このコンテンツでは、そんな点をまとめています。

ニトリル手袋とは?

ニトリル手袋とは、ニトリルゴムという石油系合成ゴムでできている使い捨て手袋のことです。
ゴムと付くので、ゴム手袋だと思う方も多いですが、ニトリル手袋は天然ゴムではなく、合成ゴムでできています。

天然ゴムを原料とする手袋はラテックスと呼ばれます。
天然ゴムのラテックスは、長期間使用することによりラテックスアレルギーを発症する人が多いことで知られています。

ラテックスアレルギーは一度発症すると治らないため、ラテックスアレルギーのリスクを減らすために、天然ゴムのラテックスに似た製品特徴を持つニトリル手袋で代用することが増えています。
ニトリル手袋にはどのような特徴があるのか、下の表にまとめました。

ニトリル手袋

ニトリル手袋の特徴

伸縮性が高く指先にフィットする 脱げにくく、細かさが求められる作業に向いている
食品衛生法適合が多い 食品に直接触れることができるので、厨房や食品工場で使用できる
強度が高い 引っ張り・突き刺しにも強いので、食肉、水産、農産などの食品工場でも使用できる
油や薬品に強い 食品の調理や工場など油を扱う場所や、清掃などに向いている

食品衛生法とは?

ニトリル手袋の多くは、食品衛生法に適合した商品となっています。

食品衛生法とは、食品の安全を確保し国民の健康を守るための法律です。
実際の食品はもちろん、調理に使用する器具や食品を入れる容器、また口に入れる事が想定される乳児用のおもちゃも、食品衛生法の対象となっています。

食品衛生法の対象となる商品は、販売する前に、公的な機関で品目ごとに定められた検査をしなければなりません。
そして、食品衛生法に適合しているという証明書が出されて初めて流通することになります。

では輸入品はどうでしょうか?
現在日本で販売されているニトリル手袋は、ほぼすべて海外で生産されています。主な生産国はタイ、マレーシア、中国となっています。

もし、海外から輸入したニトリル手袋を、食品にも使用するものとして日本で販売したい場合には、必ず公的な検査機関で検査をして、試験成績証明書を発行してもらわなければなりません。

その証明書がなければ、輸入した貨物を税関を通して日本国内に入れる事はできないのです。
ちなみに弊社は、ボーケン品質評価機構にて検査を実施しています。

万が一、仕入れた商品を検査して、食品衛生法に適合していないということが分かった場合には、全量廃棄になるリスクがありますので、多くの輸入者は、実際に仕入れる前にサンプル品で検査を行います。
貨物が到着する前に、サンプルにて検査する方法なので「先行サンプル検査」と言われています。

こうした食品衛生法の検査について、詳しくはまた別の記事で取り上げたいと思います。

ニトリル手袋の需要

コロナ以前も、ニトリル手袋は病院や介護施設、検査施設、食品関係のお店や工場で使用されてきました。
しかしコロナの世界的な蔓延により、人々の衛生意識が高まり、それまでニトリル手袋を使用していなかったスーパーのレジや、飲食店のホール、カフェなどでもニトリル手袋を使用するようになっています。

これは日本だけではなく、世界的に同じ傾向なので、ニトリル手袋の需要が急激に拡大しました。
それに加えて、ニトリル手袋の主な生産国であるタイ、マレーシア、中国などでは、コロナによるロックダウンを行ったため、工場の稼働率が下がり、生産量が減っていました。

そのため、世界的にニトリル手袋は品薄状態になっており、価格もコロナ禍以前より高い状態が続いているのです。
詳しくはニトリル手袋とはなんですか?その特長を詳しく解説!|使い捨て手袋の選び方をご覧ください。

このような、需要が高まって価格が上がる、という状況の時に出てくるのはなんでしょう?そうです、代替品です。

しかし、ニトリルとしての機能を持たないのにニトリルと名前がついて売られている手袋があるのです。
それが、「偽ニトリル手袋」です。

では、「偽ニトリル手袋」とは何でしょうか?

偽ニトリル手袋とは?

偽物 バツ

偽ニトリル手袋とは、素材、性能がニトリルと違うのに、ニトリル手袋として販売している製品です。

ニトリル手袋というのであれば、素材は「ニトリルゴム」となるはずですよね。
しかし、通信販売などでニトリルと書いてある製品をよく見ると、素材のところに「塩化ビニル」と書いてあるのです。

また、素材欄に、ニトリルゴム・PVC合成ゴム他、などと書いてある、いわゆるハイブリットニトリルも散見されます。

偽ニトリルの色はおなじみの水色が多く、箱の写真を見るとニトリル手袋のように手にフィットしているように見えます。

そのため、こんなに安くニトリル手袋が買えるんだ、とポチっと購入する方が多いのです。
では、偽ニトリルのどこが問題なのでしょう?

偽ニトリルのどこが問題?

ニトリル手袋 食品

前述したような、塩化ビニルの使い捨て手袋や、塩化ビニルなどが混ざっているニトリル手袋は、食品衛生法に適合していないことがほとんどです。

その理由は、塩化ビニルは、素材であるプラスチックを柔らかくするために「フタル酸エステル」という添加物を使用していることが多いからです。
「フタル酸エステル」は低レベルながら発がん性があります。
そして、油脂を含む食品と接触するとフタル酸エステルが溶け出し食品に付着することが分かっています。

そのため、食品に直接触れる容器や調理に使う器具や使い捨て手袋には、フタル酸エステルを含む素材を使用してはいけないことになっているのです。
塩化ビニルの手袋のなかには、ほんの一部ですがフタル酸ではない可塑剤を使用して作られているものがあります。
フタル酸ではない可塑剤には、アセチルクエン酸トリブチル、アジピン酸ビス、テレフタル酸ビスなどがあります。

しかし、フタル酸以外の可塑剤を使用している塩化ビニルの使い捨て手袋はわずかです。
その点はメーカー側も意識していますので、フタル酸以外の可塑剤を使用している塩化ビニルの使い捨て手袋のパッケージには、「フタル酸不使用」ということをしっかり表記している場合がほとんどです。

では、偽ニトリルに食品衛生法適合と表示してあることが多いのはなぜでしょう?

前述した通り、食品に触れる可能性のある使い捨て手袋を輸入する際には、食品衛生法に適合しているかの検査を受けなければなりません。
実際に輸入した貨物から商品を抜き取って検査するのではなく、輸入前のサンプル検査の時にはニトリル100%の手袋を提出して検査をし、実際に輸出する時には塩化ビニルを混ぜたいわゆるハイブリットの偽ニトリル手袋を輸出している企業もあるのです。

ですから、もし、抜き打ちで検査するなら、食品衛生法不適合のニトリル手袋が多数出てくる可能性があります。

食品衛生法に適合していない使い捨て手袋を使用して食品を調理したからと言って、食中毒のようにすぐに健康被害が出るわけではありません。
しかし、発がん性のある物質が溶け出して食品に付着す可能性があるのに、そのまま偽ニトリル手袋を使用しているとしたら、これは食品を扱う企業として由々しき事態です。

日本では特に、食の安全はきちんとした法律で守られている、という信頼の上にわたしたちの生活は成り立っています。
この信頼が崩れてしまうなら、食品工場や飲食店など、様々なところでその影響は出てくるでしょう。

ですから、ニトリル手袋の価格が高騰しているからといって、価格の安い偽ニトリルを使用することは避けなければならないのです。

偽ニトリル手袋ーどこに注意すればよい?

まず、ニトリル手袋を購入する時には、パッケージの素材欄を必ず確認することです。

素材欄に、ニトリルゴム、または合成ゴムとだけ表示されていれば、きちんとしたニトリル手袋だということです。
しかし、ニトリルゴム・PVC合成ゴムとか、塩化ビニルと表示されていたら、いくら表面にニトリル手袋と記載されていても偽ニトリル手袋の可能性を捨てきれません。
素材は箱の裏側に小さく表示されていることが多いので、少し手間ですが、きちんと確認してください。
そして、食品衛生法適合と書かれていたとしても、フタル酸不使用と書かれていない場合には、偽ニトリル手袋である可能性が高いと言えます。

また、ニトリル手袋をたくさん使用する飲食店や工場などは、信頼できる販売店からまとめて購入することをお勧めします。
信頼できる販売店は、信頼できる工場と繋がっています。
そして定期的に、日本の公的な検査機関で輸入したニトリル手袋の検査を行います。ですから、食品衛生法に適合しているという証明書を提示することができます。

デリシャスフードパッケージでは、品質の良いニトリル手袋を直接中国から輸入しています。
そして日本国内の公的な検査機関にて、検査を行っています。

まとめ

この先しばらくは、多くの場所で使い捨ての手袋が必要とされます。
その中でも、細かい作業が可能で食品にも使用できるニトリル手袋の需要は必要とされています。

様々な偽ニトリルが出回っていますので、食品衛生法に適合した、安全で丈夫、そしてピッタリフィットするニトリル手袋をお探しの方は、是非一度デリシャスフードパッケージまでご相談ください。

お勧めのニトリル手袋

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