新型コロナウイルスの流行により、衛生に対する意識が大きく変わりました。
飛沫感染を予防するマスクはもちろん、接触感染のリスクを減らすために使い捨ての手袋を使用する人が増えています。

それでこれまでは医療現場や介護業界で主に使われてきた使い捨て手袋が、飲食店や小売店にも使われるようになりニーズが増えているのです。

こうした需要の増加を受けて、ニトリルなど一部の使い捨て手袋は価格が上がったり手に入りにくくなっています。
そのため消耗品のコストを下げるためにニトリルに替わる代替品を探している飲食店が増えています。

このコンテンツでは、ニトリル手袋の代替品としても検討できるEVA手袋について取り上げます。

EVAとは？

EVAとは、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂（Ethylene-Vinyl Acetate）の略称で、プラスチックの一種です。
一般的には「EVA樹脂」と表記されます。

EVA樹脂がは無色透明で水に溶けない樹脂です。柔軟性・弾力性に優れているのでボクシンググローブやキッズスペースに敷かれているジョイントマットに使用されています。

また日光や紫外線で劣化しにくいという丈夫さがあるため、建物の目地材やサンダルに使用されています。（EVAサンダルって売ってますよね）

さらにEVAはポリエチレンのように塩素を含まないので焼却してもダイオキシンを発生しません。
そして環境ホルモンが含まれないので、なんとチューインガムのガムベースにも使用されています。（もちろん食品衛生法の規格基準に基づいて製造され安全のための試験をパスしています）

このようにEVAという素材は環境に優しく安全ということが分かります。
ではEVA手袋は、どんな特徴があるのでしょうか？

EVA手袋の特長とはなんですか

EVA手袋は弾力性と柔軟性があるため、軽く引っ張ると指先にフィットする特長があります。
ですから指先にフィットするので伸縮性のないポリエチレン手袋よりも作業性が高い手袋です。

またEVA手袋は低温でも硬くなりにくく水に強い手袋です。
とがったもので突き刺すなどした場合にはニトリルやラテックスより強度が劣りますが、引っ張りには強度があります。

使い捨ての手袋は薬品や洗剤から手を保護する役目も求められますが、EVA手袋は耐薬品性、耐油性に優れているという特長もあります。

EVA手袋を使用できる業種

上記のような特長を考えると、EVA手袋は水仕事や冷蔵・冷凍を扱う食品関係の業種や、洗剤などを使用する清掃の仕事など幅広い業種に使用する事ができます。
飲食店ではコロナ禍になって厨房でもホールでも使い捨ての手袋を使用するようになっていますのでEVA手袋はおすすめです。

またシャンプーやパーマ液などに触れる美容・理容関係、手先の感覚が大切な介護の現場でも使用できます。
EVA手袋はニトリルなどと比較して価格が安いので、度々交換が必要な作業には経済的です。
使い捨て手袋は交換の度に廃棄になりますが、EVAは燃やしてもダイオキシンが出ないので環境に優しい手袋です。

ただし、食品に使用する場合には「食品衛生法適応」と明記された手袋を使用するようにしましょう。

食品衛生法と使い捨て手袋

手袋素人

食品衛生法って使い捨て手袋にも関係あるんですか？

手袋博士

食品衛生法は食品の安全を確保し国民の健康を守るためにあるので、食品はもちろん、調理に使用する器具や食品を入れる容器、また口に入れる事が想定される乳児用のおもちゃも、食品衛生法の対象になっているんですよ。

手袋素人

なるほど。
では、食品衛生法上使用できない使い捨て手袋もあるってことですね？

手袋博士

そうですね。
塩化ビニール手袋の中には、手袋に柔軟性をもたせるための可塑剤として「フタル酸エステル」が使用されているものがあります。
この「フタル酸エステル」が付着した食品を摂取すると健康被害が生じる恐れがあるとして、食品の調理や加工に使用することが禁止されているんです。

手袋素人

そうなんですか。よく分かりました。
食品に使用する時には、食品衛生法適応の商品かを確かめることが大切なんですね。

ニトリルの代替品になるのか？

現在世界的にニトリル手袋の価格が高騰し、一枚の価格が１年前の2.5-3倍くらいになっています。

しかしEVA手袋は、ポリエチレン手袋よりも価格は高価ですが、比較的価格が安価です。
ですから価格が高騰する前のニトリル手袋のように、休憩の度、トイレの度に手袋を交換してもコスト面での負担は少ないといえます。

またEVA手袋には伸縮性があるためズレにくく、しかも着脱が簡単なので頻繁に取り換える使用にも向いています。
EVA手袋は食品を扱うくらいの油や薬品、洗剤なら対応できますので食品分野では幅広く使用できます。

ちなみにニトリル手袋の代替品としてTPE手袋もあります。
TPE手袋についてはTPE手袋を詳しく解説ｌ使い捨て手袋の選び方ご覧ください

EVA手袋を快適に使用するヒント

EVA手袋をより快適に使用するためには、ワンランク下のサイズを選ぶことをおすすめします。
手袋はいろいろな手の大きさの人が使うから、MとLをそろえておけばいいだろう、などと安易に考えがちですが、これではEVAの伸縮性があるというメリットを生かせません。

ポリエチレン手袋でMを使っている人は、EVA手袋ではＳサイズを使いましょう。
Ｌサイズを使っている男性は、Ｍサイズを選びます。
ぜひ手にフィットするサイズのEVA手袋を使ってください。

そしてEVA手袋を装着したら、お祈りする時のように手の指を交差させて、指の付け根の方に向かって手袋を押し下げます。
こうすることでEVA手袋が指先まできちんとフィットして快適さがアップするのです。

EVA手袋を使う時は、ぜひこのことを忘れずに！

まとめ

様々な素材の使い捨て手袋があるなか、使用用途や価格面でぴったりの手袋を確保するのには時間がかかります。
そんなお悩みをお持ちの方がいらっしゃしましたら、是非プロにご相談ください。

デリシャスフードパッケージのパッケージアドバイザーは、使い捨て手袋だけではなくモブキャップやマスク、パーテーションなど感染症対策に必要な様々な資材についても知識があります。
お気軽にご相談ください。